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ものを対象にしない

日本語は英語に比べると、ロジックがあいまいな言語のようです。そのため英語で論文を書くときには、論理の飛躍がないように特に注意しなければなりません。たとえば、日本語では「タンパク質を調べる」とか「遺伝子に関与する因子」などとつい書いてしまいそうです。しかし、論理的に考えてみたら「タンパク質の役割を調べる」あるいは「遺伝子の調節に関与する因子」であって、タンパク質や遺伝子そのものを調べるのではない場合が多いことに気づくでしょう。
以下の例文のような場合です。

We examined the role of Sox2 protein in ES cells.
(われわれは、ES細胞におけるSox2タンパク質の役割を調べた)

We sought to identify transcription factors that are involved in the regulation of hypoxia-inducible genes.
(われわれは、低酸素誘導性遺伝子の調節に関与する転写因子を同定しようと努めた)

このようにたいていの場合、examined Sox2 proteinやinvolved in hypoxia-inducible genesとはならないはずです。

実際によく使われる用例を調べてみても

examined the effects of 1016   (数字は出現回数)
examined the role of 818
examined the ability of 315
examined the expression of 261
examined the relationship between 181

involved in the regulation of 718
involved in the pathogenesis of 295
involved in the control of 201
involved in the development of 184
involved in the formation of 155

のような例文が多く見られます。研究対象そのものではなく、その機能や現象を調べたのであれば、そのことを明確に書かなければなりません。


情報源:WebLSD
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テーマ : 英語 - ジャンル : 学問・文化・芸術

セクションごとの時制の使い分け

論文は、通常Abstract、Introduction、Materials and Methods、Results、Discussionから構成されています。そしてセクションごとに、書き方が少しずつ異なっており、それぞれに決まったパターンがあります。ここでは、そのうちの時制の使い方に着目してまとめます。

(1)Materials and Methodsの時制
行った研究の方法については、すべて過去形で書きます。
Cells were cultured in standard Dulbecco's modified Eagle's medium containing 15% fetal bovine serum.
(細胞は、15%ウシ胎仔血清を含む標準的なダルベッコ変法イーグル培地において培養された)
のような文です。

ただし、論文に示されている統計値の表記や図や表に関することは、以下の文のように現在形で書きます。
Data are presented as mean +/- SEM.
(データは、平均±標準誤差として示されている)

統計処理の方法については過去形で書きます。

(2)Resultsの時制
基本的なルールは、上のMaterials and Methodsの場合と同じです。

得られた研究の結果については、下の文のようにすべて過去形で書きます。
VEGF expression increased 5-fold after 6 hours of hypoxia.
(VEGF発現は、6時間の低酸素のあと5倍増大した)

ただし、論文内の図や表の表記に関することは現在形にします。
Figure 1 shows the phylogenetic tree of aldehyde dehydrogenase genes.
(図1は、アルデヒド脱水素酵素遺伝子の系統樹を示す)

過去の文献を引用する場合は、下で述べるIntroductionと同じです。

(3)Introductionの時制
Introductionの重要な内容として、研究の背景や過去の論文のレビューがあります。

背景は、ほとんど過去の研究の成果ですが、既に確立された真実とみなされるものは現在形で書きます。次のような文です。
HIF-1 is a basic helix-loop-helix transcription factor composed of HIF-1alpha and HIF-1beta subunits.
(HIF-1は、HIF-1αおよびHIF-1βサブユニットからなるベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子である)

そのうち過去の研究そのものについて言及する場合には、現在完了形か過去形が使われます。今回の研究において重要なものに言及するときには現在完了形で書きます。たとえば以下のような文です。
The p53 tumor suppressor gene has been shown to play an important role in determining cell fate.
(p53がん抑制遺伝子は、細胞の運命を決定する際に有用な役割を果たすことが示されている)

著者自身の過去の研究に対しては、過去形を用いることの方が多いようです。
Previously, we demonstrated that the expression of the DEC1 gene is induced by hypoxia.
(以前に、我々はDEC1遺伝子の発現が低酸素によって誘導されることを実証した)
のような文です。

また他からの報告でも、もはやあまり重要性のないものに対しては過去形が用いられるようです。

今回の行った研究の内容は結果については、上で述べたMaterials and MethodsやResultsと同様に過去形で書きます。結論は、Discussionのように現在形で書きます。

(4)Discussionの時制
過去の文献を引用する場合に関しては、Introductionと同じです。今回の研究の内容や結果を述べる場合は、Materials and MethodsやResultsと同様に過去形で書きます。

今回の結果から導き出される解釈や結論に関しては現在形で書きます。
Taken together, these results demonstrate that CpG methylation of the Dec1 promoter inhibit transcription.
(まとめると、Dec1プロモーターのCpGのメチル化は転写を抑制する)
のような文です。

(5)Abstractの時制
Abstractは、上で述べた4つのセクションの内容の寄せ集めです。一文ごとに上のどのセクションに相当するかを考え、それに準じて時制を決めるといいでしょう。


情報源:WebLSD

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現在形、過去形、現在完了形の使い方

科学論文で使われる時制は、主に過去形と現在形です。現在完了も使われます。しかし、過去完了形、未来形、進行形はあまり使われません。ここでは現在形、過去形、現在完了形が使われる場面についてまとめます。

(1)現在形の使い方
現在形が使われる状況には、主に以下の2つがあります。

a. 研究対象に関する確立された真実について述べるとき
下のような文は、Introductionでよく使われます。

HIF-1 is a basic helix-loop-helix transcription factor composed of HIF-1alpha and HIF-1beta subunits.
(HIF-1は、HIF-1αおよびHIF-1βサブユニットからなるベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子である)

b. 論文そのものや論文に示されている図、表、統計に関することについて述べるとき
下のような文が、主にResultsで使われます。

Figure 1 shows the phylogenetic tree of aldehyde dehydrogenase genes.
(図1は、アルデヒド脱水素酵素遺伝子の系統樹を示す)

(2)過去形の使い方
過去形を使う場合は、主に以下の3つがあります。
a. 今回行った研究の方法について述べるとき
Materials and Methodsでは、下のような文がよく用いられます。

Cells were cultured in standard Dulbecco's modified Eagle's medium containing 15% fetal bovine serum.
(細胞は、15%ウシ胎仔血清を含む標準的なダルベッコ変法イーグル培地において培養された)

b. 今回行った研究の結果について述べるとき
Resultsでは、下のような文がよく用いられます。

VEGF expression increased 5-fold after 6 hours of hypoxia.
(VEGF発現は、6時間の低酸素のあと5倍増大した)

c. 過去の筆者たちの研究について述べるとき
下のような文が、主にIntroductionで使われます。

Previously, we demonstrated that the expression of the DEC1 gene is induced by hypoxia.
(以前に、我々はDEC1遺伝子の発現が低酸素によって誘導されることを実証した)

(3)現在完了形の使い方
現在完了形は、過去の文献のうち今回の研究においても重要なものに言及するとき使います。Introductionで使われることが多いでしょう。ただし筆者たちの論文について述べるときは、上の例のような過去形を用いることの方が多いようです。

Previous studies have shown that the transcription factor HIF-1α is crucial for the cellular response to hypoxia.
(以前の研究は、転写因子HIF-1αが低酸素への細胞の応答にとって決定的に重要であるということを示している)

情報源:WebLSD

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受動態と能動態の使い分け2

ここでは、受動態を使わない方がいい場合についてまとめます。

(1)Introductionのセクションで書くべき内容の一つとして、研究の目的があります。それに伴って、目的を達成するために何かやったかを述べる必要もあるでしょう。たとえば、
To test this hypothesis, we examined the effects of proteasome inhibitors on the AP-1 pathway.
(この仮説をテストするために、我々はAP-1経路に対するプロテアーゼ阻害剤の効果を調べた)
のような文です。このような場合には受動態を使わずにweを主語にした文にする方がいいでしょう。著者の意図や行為をはっきりと示すためです。

(2)Discussionなどで日本人は、It was found that ~. (~ということが見つけられた)のような文を使いすぎる傾向があるようです。このような間接的な表現は、それを使わなければうまく書けない場合のみにした方がいいでしょう。

(3)Usingで始まる文も受動態を用いてはいけません。分詞構文の主語を文の主語と一致させるというのが英文法のルールです。Usingの主語は実験の行為者であるweでしょうから、その文の主語もweでなければなりません。
○ Using this method, we identified 50 genes that were upregulated by at least twofold.
× Using this method, 50 upregulated genes were identified.
上の文が文法的に正しく、下の文は正しくありません。


情報源:WebLSD

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受動態と能動態の使い分け1

英語ではなるべく受動態を使わないようにすべきだとされていますが、論文では受動態の文が非常に多いという特徴もあります。日本語の習慣からすると、日本人には受動態の方が書きやすいように感じるのは筆者だけではないでしょう。しかし、最初に書いたように「なるべく受動態を使わない」ようにするのが原則ですから、受動態を使う場合にはいちいちその理由を考えるようにした方がいいでしょう。
では、どのようなときに受動態を使うのかですが、以下のような場合が考えられます。

(1)まずは、受動態でしか表現できない場合です。他動詞受動態が、あたかも自動詞かのように使われる場合があります。たとえば、
Obesity is associated with increased risk of cardiovascular disease.
(肥満は心血管病の増大したリスクと関連する)
のような文は、能動態になることはありません。これはassociateという動詞の性質だと考えてもいいでしょう。

(2)文の意味上の主語である行為者が、はっきり限定できない場合には受動態が用いられます。次のような文の場合です。
TIG1 has been proposed to act as a tumor suppressor.
(TIG1は腫瘍抑制因子として機能すると提唱されている)
この場合は、「多くの研究者によって提唱されている」ということで、誰とははっきり決められません。逆に、行為者が分かっているのに受動態を用いることは、それを曖昧にしようとしていると勘ぐられる恐れがあるので注意しましょう。

(3)受動態を用いた方が、意味が明確になる場合があります。S+V+O+前置詞やS+V+O+Oの文は、受動態にした方がスタイルがすっきりし意味もハッキリすることがよくあります。たとえば
Mice were fed a high-fat diet.
(マウスは、高脂肪食が与えられた)
のような文では、受動態が好まれます。

(4)Material and Methodsは、ほとんど受動態で書きます。このセクションは著者が行った研究の方法を書くところなので、もし能動態で書いたらweが主語の文の連発になります。これは、スタイル的にもよくないし、主張が強すぎます。Material and Methodsは、行った研究をなるべく著者の意図を交えずに客観的に書くべきところのようです。従って、weを主語とした文は使わず、主に受動態の過去形で書けばよいでしょう。著者の意図は、Introductionで示すのが適当です。同じような文でも、Introductionで書く場合には、weを主語にした文を用いるようにした方がいいでしょう。

(5)ResultsのセクションもMaterial and Methodsと同様に、著者の意図をあまり交えずに書きます。従って、weが主語になることはかなり少なくなります。ただしResultsでは研究の結果を書くわけですから、必ずしも行為者であるweは重要ではありません。we以外の現象やものなどを主語にするようにします。文のスタイルも受動態よりも自動詞を優先的に選択しましょう。ただし、次のような自動詞のない動詞には受動態を用います。
RXR mRNA was expressed in all tissues tested.
(RXRメッセンジャーRNAは、テストしたすべての組織において発現していた)
また、
MT1-MMP protein expression was observed in epithelial cells.
(MT1-MMPタンパク質発現が、上皮細胞において観察された)
のような文でも、「自然に観察される」ように思えるので受動態が使われます。Discussionで研究結果をまとめる場合も、Resultsと同じような方針で書けばよいでしょう。

以上のように「受動態を使う場合にはいちいちその理由を考える」過程を踏んでその妥当性について検討しましょう。特に、使われる場面や全体の流れには注意する必要があります。


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人以外のものを主語にする動詞2

問題です。
次の動詞のなかで、もっぱら人以外のものを主語にするものはどれでしょうか?
show, indicate, demonstrate, reveal, find, observe, support, provide, establish, imply

答えは、indicate, reveal, support, imply
これらの動詞の主語には、主に「研究結果(resultsなど)」、「研究(studyなど)」、「研究方法(analysisなど)」などが用いられます。

show, demonstrate, provide, establishには、人と人以外のものの両方が主語として使われます。
find, observeの主語には、もっぱら人が用いられます。


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人以外のものを主語にする動詞1

問題です。
次の文のなかで用法的な誤りがあるのはどれでしょうか?

(1) We show that ~.
  (われわれは、~ということを示す)
(2) We found that ~.
   (われわれは、~ということを見つけた)
(3) We indicate that ~.
  (われわれは、~ということを示す)

答えは、(3)。
(1) showの主語には、人も人以外のもののどちらも用いられます。
(2) found(find)は、人を主語にする動詞です。
(3) indicateは、研究(studyなど)、研究方法(analysisなど)、研究結果(resultsなど)などの人以外のものを主語にする動詞です。通常、weは主語にならないので注意しましょう。

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人を主語にする動詞3

問題です。
次の動詞のなかで、もっぱら人を主語にするものはどれでしょうか?
demonstrate, find, identify, observe, reveal, measure, provide, isolate, indicate

答えは、find, observe, measure, isolate
論文ではこれらの動詞の主語に、weが使われることが圧倒的に多いようです。

一方、reveal, indicateの主語としては、analysis, study, resultsなどの人以外のものが用いられます。
demonstrate, identify, provideには、人と人以外のものの両方が主語になります。

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人を主語にする動詞2

問題です。
次の動詞のなかで、もっぱら人を主語にするものはどれでしょうか?

find, conclude, propose, observe, hypothesize, speculate, believe, obtain, ask, measure, construct, isolate, conduct

答えは、「すべて」です。
そして論文で主語になるのは、ほとんどの場合で'we'です。
人以外のものを主語にしないように気を付けましょう。

逆にdemonstrate, identify, provideなどは人だけでなく、「研究(studyなど)」や「研究結果(resultsなど)」が主語になることもよくあります。
perform, test, determineなどweが主語になることが多いけれども、その他のものが主語になることがある動詞もあります。このあたりは、使い分けの区別が難しいでしょう。

情報源:WebLSD

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人を主語にする動詞1

問題です。
次の文のなかで用法的な誤りがあるのはどれでしょうか?

(1) These results suggest that ~. 
  (これらの結果は、~ということを示唆する)
(2) These results conclude that ~.
  (これらの結果は、~ということを結論する)
(3) These results demonstrate that ~.
  (これらの結果は、~ということを実証する)

答えは、(2)。
(1) suggestの主語には、results, data, findingsなどの「研究結果」を用いることが望ましい。We suggestの用例もあるが、避けた方がよい。
(2) concludeは、人を主語にする動詞である。resultsは主語にならないので、results concludeは誤り。We conclude thatとすべきであろう。
(3) demonstrateは、研究結果でも人でもどちらでも主語にできる。We demonstrate thatの用例も非常に多い。


情報源:WebLSD
参考文献:アクセプトされる英語論文を書こう!

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